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【Vol. 7】Radiohead「Creep」のギターリフが持つ「破壊的な美しさ」の秘密。ノイズとCmコードの衝撃

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Radiohead「Creep」 洋楽フレーズ研究所

たったひとつのギターの音が、空気の温度を変えてしまう瞬間があります。
優しく語りかけるように進んでいた曲が、突然、感情をむき出しにして溢れ出す――
その瞬間に立ち会うと、人は音の中に「自分自身」を見つけてしまうのかもしれません。

Radiohead「Creep」はまさにその象徴です。
静かなアルペジオから、サビ直前に訪れる、あの 爆発するようなノイズ混じりのリフ
「壊れてしまいそうな心」そのもののようなあの音は、なぜこんなにも胸に突き刺さるのでしょうか?

おとはじ
おとはじ

今日はその、 破壊的で、美しくて、逃げられないあの一瞬 を深掘りしていきます。

Radiohead「Creep」のギターリフが持つ「破壊的な美しさ」の秘密

1992年にリリースされたRadioheadの「Creep」。 彼らを一躍世界的なバンドにしたこの曲は、自己嫌悪と他者への憧れという、誰もが抱える感情をストレートに歌い上げています。
この曲の最大の特徴は、サビに入る直前に鳴り響く、強烈なノイズを伴うギターリフです。静かな曲調の中で突然現れるこの「破壊的な音」は、なぜこんなにも心を揺さぶるのでしょうか?今日は、この「破壊的な美しさ」に隠された秘密を掘り下げてみましょう。

🎼 今日の深掘りフレーズ

アーティスト
曲名
フレーズの場所
フレーズの正体
Radiohead
Creep
サビ直前(0:57~)
ギターリフ(ノイズ)

🎵 軽やかな考察:なぜこのリフは「破壊的」なのか?

このリフを弾いているのは、ギタリストのJonny Greenwood(ジョニー・グリーンウッド)です。彼は、このリフを意図的に「曲を台無しにする」ために弾いたとされています。
G → B → C → Cm
このコード進行は、曲の持つ内省的な雰囲気を支えていますが、ジョニー・グリーンウッドは、以下の手法でこのリフに「破壊的な美しさ」を与えました。
  1. 【「ノイズ」が感情を爆発させる】 このリフの最大の要素は、ノイズです。彼は、サビの直前で、ギターのピックアップの切り替えスイッチを激しく操作したり、ギターを強くかき鳴らしたりすることで、意図的に不協和音とノイズを生み出しました。 静かに進行していた曲が、サビで感情を爆発させる瞬間を、この「破壊的な音」が演出しています。まるで、内側に溜め込んでいたフラストレーションが一気に噴き出すようなカタルシスを、聴く人に与えているのです。
  2. 【コード進行の「裏切り」】 この曲のコード進行は、G → B → C → Cmという、ロックでは珍しいCm(シーマイナー)で終わります。このCmは、曲全体を支配する長調(メジャー)の雰囲気の中で、突然現れる「暗い影」のような存在です。 この「裏切り」のコードが、曲の持つ「自分は変だ(I’m a creep)」という自己嫌悪の感情を深く表現しており、ノイズと相まって、より強烈な印象を残します。
  3. 【弾き語りへの応用】 ギター弾き語りを趣味とする人にとって、このリフは「表現の幅」を広げるヒントになります。
    • ダイナミクス(強弱)の強調:この曲のように、静かなパートと大きな音のパートの差を極端につけることで、あなたの弾き語りにドラマチックな感情表現を加えることができます。
    • 「ノイズ」の活用:アコースティックギターでも、ミュートした弦を強くかき鳴らすことで、この曲のような「感情の爆発」を表現できます。完璧な演奏だけでなく、感情を優先した「荒々しさ」も表現の重要な要素だと教えてくれます。
この「Creep」のギターリフは、「不完全さやノイズの中にこそ、真実の感情と美しさが宿る」ということを教えてくれます。
ギターを抱えて、このフレーズを奏でるたびに、その剥き出しの感情を感じてみてください。
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💡 今日の音楽豆知識

  • バンドの葛藤:Radioheadは、この曲の大ヒットによって、一発屋として見られることに強く抵抗しました。彼らは、この曲の成功から逃れるように、以降のアルバムで実験的な音楽性を追求し、世界的な評価を確立していきます。
明日は、また別の名曲の「あのフレーズ」を深掘りします。お楽しみに!
おとはじ
おとはじ

取り上げて欲しい洋楽(フレーズ)があればコメント下さいね!

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