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【Vol. 11】The Beatles「Blackbird」の「さえずり」に隠された、ポール・マッカートニーの魔法

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The Beatles 「Blackbird」 洋楽フレーズ研究所

1968年にリリースされたThe Beatlesの名曲「Blackbird」
ポール・マッカートニーが一人で奏でるアコースティックギターの旋律は、まるで小鳥のさえずりのように軽やかで美しく、聴く人の心にそっと寄り添います。

一見シンプルに見えるギターパートですが、その裏には独特のフィンガーピッキングや複雑なコードワークが隠されており、多くのギタリストを魅了してやみません。

おとはじ
おとはじ

今回は、この「さえずり」に秘められたポールの音楽的魔法を、ギター弾き語りの視点から深掘りしていきます。

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🎸 洋楽の「あのフレーズ」深掘りコラム【Vol. 11】

The Beatles「Blackbird」の「さえずり」に隠された、ポール・マッカートニーの魔法

1968年にリリースされたThe Beatlesの「Blackbird」。 ポール・マッカートニーが一人で奏でるアコースティックギターと歌声は、まるで一羽の鳥のさえずりのように、繊細で美しい響きを持っています。
この曲のギターパートは、一見シンプルながら、独特のフィンガーピッキング複雑なコードワークで構成されており、多くのギタリストを魅了し続けています。今日は、この「さえずり」に隠された、軽やかで、深い秘密を掘り下げてみましょう。

🎼 今日の深掘りフレーズ

アーティスト
曲名
フレーズの場所
フレーズの正体
The Beatles
Blackbird
楽曲全体
独特のフィンガーピッキング・アルペジオ

🎵 軽やかな考察:なぜこのフレーズは「魔法」なのか?

1. コード進行分析:Gメジャーとドリアン・モードの交錯

この曲の基本キーはGメジャーですが、サビ(Refrain)の部分ではルージーなドリアン・モードが導入されます。
ヴァース(Verse): Gメジャーのコード(G, Am7, G/B, Cなど)を基調とし、穏やかなフォークソングの雰囲気を醸し出します。
サビ(Refrain): ここでドリアン・モード(短調の一種)の響きが加わり、曲に深みと哀愁を与えます。特に、Gメジャーのトニック(主音)を保ちながら、短調の響きを混ぜることで、単なる明るい曲ではない、希望と困難が入り混じったような独特の感情を表現しています。
この長調と短調の境界を曖昧にするコードワークこそが、「Blackbird」の音楽的な深さの秘密です。

2. 音楽的表現:並行10度(Parallel Tenths)の美学

ギターパートの最大の特徴は、「並行10度(Parallel Tenths)」と呼ばれる音程の動きです。
並行10度とは: ギターの低音弦(ルート音)と高音弦(メロディ)が、常に10度(オクターブと3度)の音程を保ちながら動く技法です。
効果: これにより、ベースラインとメロディラインが同時に進行しているような、非常に豊かで立体的な響きが生まれます。ポールはこの技法を駆使し、アコースティックギター1本で、まるで2人分の演奏をしているかのような錯覚を与えています。
この「並行10度」が、曲全体に流れるメロディックな推進力となり、聴く人を惹きつけます。

3. ギター弾き語りへの応用:親指と人差し指の「逆転」フィンガーピッキング

この曲のギターパートは、トラヴィス・ピッキング(親指で低音弦を交互に弾き、他の指で高音弦を弾く)を応用した、ポール独自の「逆転」フィンガーピッキングが用いられています。
通常のトラヴィス・ピッキング: 親指がリズムとベースライン、人差し指・中指・薬指がメロディとコードを分担します。
「Blackbird」の奏法: ポールは、親指で低音弦のリズムを刻みつつ、人差し指で高音弦のメロディを弾くという、非常にアクロバティックな指の動きをしています。
この奏法をマスターするには、親指の独立した動きと、人差し指の正確なメロディラインを同時に行う練習が必要です。この曲を弾きこなせれば、あなたのフィンガーピッキング技術は、格段に向上するでしょう。
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💡 今日の音楽豆知識

曲の真のテーマ: この曲は、1960年代のアメリカ公民権運動にインスパイアされて書かれました。「Blackbird」とは、人種差別に苦しむ黒人女性を象徴しており、「Blackbird singing in the dead of night / Take these broken wings and learn to fly」(夜の闇で歌うクロウタドリよ、その折れた翼で飛び方を学びなさい)という歌詞には、「困難を乗り越えて立ち上がれ」という強いメッセージが込められています。
明日は、また別の名曲の「あのフレーズ」を深掘りします。お楽しみに!
おとはじ
おとはじ

取り上げて欲しい洋楽(フレーズ)があればコメント下さいね!

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