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【Vol. 14】Derek and the Dominos「Layla」の「二つの顔」を持つ、情熱のリフ

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Derek and the Dominos Layla 洋楽フレーズ研究所

Derek and the Dominos「Layla」は、ただのロック名曲ではありません。
激しいギターリフと、静かに降りてくるようなピアノのコーダ。そのコントラストはまるで、心の中で揺れ続ける“抑えきれない想い”と“諦めに似た静かな涙”のようです。

エリック・クラプトンが親友の妻に抱いた、許されない恋。
その複雑な感情は、音と言葉で語りつくせるものではなく、音楽そのものに封じ込めるしかなかったのでしょう。

この曲には、燃え上がる情熱の“前半”と、受け入れと鎮静の“後半”という、二つの顔があります。

おとはじ
おとはじ

今日はこの「Layla」が持つ、音楽的な構造と感情の揺らぎに耳を澄ませながら、その 象徴的なリフに込められた想いを紐解いていきます。

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🎸 洋楽の「あのフレーズ」深掘りコラム【Vol. 14】

🎵 軽やかな考察:なぜこのフレーズは「片思いの情熱」を伝えるのか?

1. 音楽的構造:モードの混合と「許されない響き」

「Layla」のイントロリフは、Dマイナーを基調としています。
マイナーの切なさ: Dマイナーが持つ独特の陰影は、曲全体に漂う「満たされない片思い」の痛みと、どうにもならない切なさをそのまま音にしたような響きを与えています。
モードの混合とドラマティックなコードチェンジ: 基本的には Dエオリアン・モード(Dナチュラルマイナー) に根ざした構造ですが、ヴァースで一時的に C#マイナーを中心とした進行が現れる部分があります。
一見「転調した」ようにも聞こえますが、曲全体の重心はあくまで Dマイナー にあります。
そのため、ここはキーが変わるというより、感情の揺れを劇的に演出するためのコードチェンジと解釈した方が自然です。
この瞬間的な緊張感こそ、クラプトンが抱えていた「許されない愛」の葛藤を象徴しています。
二面性: 前半のエレクトリックギターが訴えかけるように熱く叫ぶ一方で、曲の後半で現れるピアノのコーダは、静かで透明感のあるメロディを奏でます。
この対比は、「激しい情熱」と「受け入れにも似た哀しみ」という、クラプトンの中に同時に存在した複雑な心情を鮮やかに描き出しています。

2. 文化的背景:禁断の愛とペルシャの叙事詩

この曲の背景には、エリック・クラプトンの個人的なドラマがあります。
禁断の愛: クラプトンは、親友であるビートルズのジョージ・ハリスンの妻、パティ・ボイドに激しい恋心を抱いていました。この曲は、パティへの「振り向いてほしい」という切実な願いを込めて書かれました。
ペルシャの叙事詩: 曲名は、クラプトンが読んだペルシャの叙事詩『ライラとマジュヌーン』に由来しています。この物語は、「許されない愛」を貫く男女の悲劇を描いており、クラプトン自身の状況と重ね合わせて名付けられました。

3. 弾き語りへの応用:リフのグルーヴ

この曲のギターリフは、マイナーペンタトニック・スケールを基調とした、ブルースロックの王道です。
弾き方のヒント: 複雑なテクニックは必要ありませんが、デュアン・オールマンとのツインギターによるリフのグルーヴとスピード感を意識することが、この曲をかっこよく演奏する最大のコツです。
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💡 今日の音楽豆知識

共作者の悲劇: 後半の美しいピアノコーダは、ドラマーのジム・ゴードンが作曲したとされていますが、後に彼の元恋人であるリタ・クーリッジが、自分が作曲した曲のメロディを盗用されたと主張し、論争となりました。ジム・ゴードンは、後に統合失調症と診断され、母親殺害の罪で服役するという悲劇的な人生を送りました。
明日は、また別の名曲の「あのフレーズ」を深掘りします。お楽しみに!
おとはじ
おとはじ

取り上げて欲しい洋楽(フレーズ)があればコメント下さいね!

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