HR界で活躍する海外女性ギタリスト:オリアンティ、ニタ・ストラウス、ジェニファー・バトゥン特集

ロックカルチャー

現代ロックを代表する女性ギタリスト、オリアンティ、ニタ・ストラウス、ジェニファー・バトゥン。彼女たちは世界的アーティストとの共演や圧倒的なテクニック、独自のサウンドで、多くのファンとギタリストに影響を与えてきました。

それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながらも、ロックやメタルの最前線で活躍し、女性ギタリストの新たなロールモデルとして道を切り拓いています

本特集では、彼女たちの歩みや個性、サウンド、機材、現代ロックへの影響まで多角的に紹介します。ギターを楽しんでいる方や、女性ギタリストに憧れる方にとって、新たな刺激やヒントになる特集です。

おとはじ
おとはじ

ギター女子の皆さん!
彼女たちのプレイ、ぜひチェックしてみてください。
きっと、心がざわざわ…ワクワクしてくるはずです!

★各ギタリストの経歴やブレイクのきっかけ
★代表的な活動や共演アーティスト
★サウンドやプレイスタイルの特徴
★主要なアルバムやおすすめ楽曲
★使用機材や影響を受けた音楽

HR界で活躍する海外女性ギタリストたち

比較表

特徴 オリアンティ ニタ・ストラウス ジェニファー・バトゥン
出身・活動拠点 オーストラリア出身、世界的に活躍 アメリカ・ロサンゼルス出身、主にアメリカ中心 アメリカ・ニューヨーク出身、国際的に活躍
主な活動 マイケル・ジャクソン、アリス・クーパー、ソロ アリス・クーパー、デミ・ロヴァート、ソロ マイケル・ジャクソン、ジェフ・ベック、ソロ
サウンド/スタイル ハードロック・ブルース・カントリーの融合 ヘヴェメタル・シュレッド・現代的テクニカル ロック・フュージョン・タッピング奏法
ギターテクニック 表現力豊かなリードプレイ、ヴォーカル兼任も 超絶技巧・速弾き・パフォーマンス重視 ツーハンド・タッピング、多彩な音作り
機材 PRS、ギブソン、オレンジアンプ アイバニーズ(女性初のシグネチャーモデル) Washburnなど、ギターシンセサイザーも使用
影響・バックグラウンド サンタナ、ヴァイなどロック・ブルース系 スティーブ・ヴァイ、サトリアーニ、メタル系 ジャズ・ロック・フュージョン、音楽教育にも注力
キャリアの特徴 大物アーティストのツアーで世界的知名度を獲得 女性メタルギタリストの代表格、ソロ活動も活発 セッションプレイヤーとしての信頼と実力
おとはじ
おとはじ

ギターとの向き合い方も、音の出し方も三者三様。

だからこそ、それぞれが唯一無二の存在なんですね!

では、それぞれの軌跡や魅力をもう少し詳しく見ていきましょう。

オリアンティ(Orianthi)

ORIANTHI イメージ画像

オリアンティ イメージ画像

★経歴とブレイクのきっかけ
オーストラリア・アデレード出身。6歳でギターを始め、10代でプロ活動を開始。18歳でカルロス・サンタナと共演し、2009年にはマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」ツアーのリードギタリストに抜擢され世界的に注目されました。

★代表的な活動・共演
サンタナ、スティーヴ・ヴァイ、プリンス、エリック・クラプトンらと共演。アリス・クーパーやリッチー・サンボラのツアーにも参加。

★サウンドの特徴
骨太なハードロックを基調に、ブルースやカントリーの要素もミックス。ギターとヴォーカル両方で高い表現力を持つ。

★主なアルバム・楽曲
『Believe』(2009)、『O』(2020)、『Rock Candy』(2022)など。代表曲は「According To You」「Shut Up & Kiss Me」。

★使用機材・影響
PRSやギブソンのギターを愛用。オレンジアンプのサウンドを高く評価。サンタナやスティーヴ・ヴァイから大きな影響を受けている。

ニタ・ストラウス(Nita Strauss)

Nita Strauss イメージ画像

ニタ・ストラウス イメージ画像

★経歴とブレイクのきっかけ
アメリカ・ロサンゼルス出身。音楽一家に生まれ、13歳からギターを始める。女性だけのアイアン・メイデントリビュートバンド「The Iron Maidens」で注目され、2014年からアリス・クーパーのバンドに参加して世界的に知られる存在に

★代表的な活動・共演
アリス・クーパー、デミ・ロヴァートのツアーギタリスト。LA KISSの専属ギタリストも務める。

★サウンドの特徴
ヘヴィメタルを基調とした超絶技巧とエモーショナルな表現力。ワーミーペダルやハーモニクス、速弾きを駆使した現代的シュレッドスタイル。

★主なアルバム・楽曲
『Controlled Chaos』(2018)、『The Call Of The Void』(2023)。「Pandemonium」「The Golden Trail」など。

★使用機材・影響
アイバニーズ初の女性契約アーティスト。家系は作曲家ヨハン・シュトラウスにつながる。映画「クロスロード」のスティーヴ・ヴァイのシーンに強い影響を受けた。

ジェニファー・バトゥン(Jennifer Batten)

Jennifer Batten イメージ画像

ジェニファー・バトゥン イメージ画像

★経歴とブレイクのきっかけ
ニューヨーク・ブルックリン生まれ。8歳でギターを始め、ジャズやロック、フュージョンを学びながら腕を磨く。1987年、マイケル・ジャクソンのワールドツアーのリードギタリストに抜擢され、一躍世界的な存在に

★代表的な活動・共演
マイケル・ジャクソンの3度のワールドツアー、ジェフ・ベックのバンドでMIDIギターも担当。

★サウンドの特徴
ツーハンド・タッピングの名手。クラシック曲「熊蜂の飛行」をタッピングで再現するなど、超絶技巧と音楽性を両立。

★主なアルバム・楽曲
『Above Below and Beyond』(1992)、『Momentum』(1997)、『Whatever』(2007)など。ソロ活動やバンド、セッションも多数。

★使用機材・影響
ギター・インスティテュートを主席卒業。多彩なジャンルに対応できる柔軟性と、男性ギタリストにも劣らないパワフルなプレイが特徴。

鮮烈なインパクトを与えた3人の女性ギタリストたち

ギターという楽器の世界は、長らく男性中心の文化が根強く残る分野でした。特にロックやメタルのジャンルでは、テクニックやルックスも含めて“男らしさ”が美徳とされる風潮があり、女性がその中で個性や実力を発揮するのは決して容易ではなかったと言えます。

そんな中、オリアンティ、ニタ・ストラウス、ジェニファー・バトゥンの3人は、それぞれ異なる時代・ルートから現れ、まさに“風を変えた”存在です。彼女たちは単なる「女性ギタリスト」ではなく、世界的アーティストと肩を並べ、一流のギタリストとして堂々と評価される実力派プレイヤー。マイケル・ジャクソンのツアーで世界中を魅了したジェニファー・バトゥン、アリス・クーパーの右腕としてステージを盛り上げ続けるニタ・ストラウス、そしてリッチー・サンボラとの共演でも注目されたオリアンティ──3人に共通するのは、「女性であること」にとらわれず、ギターそのものの表現力と演奏で人々の心を揺さぶる存在であるということです。

彼女たちは、「女性でも弾ける」のではなく、“女性だからこそ出せる表現”と“圧倒的な技術”を両立させた数少ないアーティストたち。その姿は、これまでギターの世界に憧れながらも自信を持てなかった多くの女性たちにとって、強力なロールモデルとなっています。また、彼女たちが見せるステージングやビジュアルも、ギタリスト像の多様化に貢献しています。

タフでワイルドなロックスタイルだけでなく、しなやかさや美しさを保ちつつも、ギターを武器に舞台の中心で輝く。その存在感は、「ギタリストとはこうあるべき」という固定観念に揺さぶりをかけ、音楽シーンの自由と多様性の象徴とも言える存在となっています。今や女性ギタリストは「特別」ではなく、「当たり前」に活躍できる時代へ。

おとはじ
おとはじ

その土壌を築いた3人の功績は、間違いなく現代の音楽シーンに新たな風を吹き込んだ歴史的な一歩だったと言えるでしょう!

少数だからこそ強く輝く、女性ギタリストたちの魅力

ギターを楽しんでいる人はたくさんいますが、プロとして活躍しているとなると、やはり圧倒的に男性が多いのが現状です。

私の家に遊びに来た友人も、部屋に置いてあるギターを見るとよく「ご主人がギターを弾くの?」と聞いてきます。

やはり、ギターにはまだまだ“男性のイメージ”が強く残っているようですね。私自身も、一番最初に憧れたギタリストは男性でしたし、今でもその人の音楽が大好きです。

でも最近では、女性ギタリストたちのかっこよさに惹かれることも増えてきました。人数こそ少ないけれど、だからこそ彼女たちの存在はとても目立ちますし、その分だけ輝きも強いと感じます。

今回は、その中でも特に印象深かった3人――オリアンティ、ニタ・ストラウス、ジェニファー・バトゥンについて、私が感じたことを素直に綴ってみたいと思います。

未来を確信させる光を放ったギターヒロイン:オリアンティ

私がオリアンティを知ったのは、マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を観たことがきっかけでした。彼女は、マイケルのコンサートでリードギターを務める予定でしたが、残念ながらマイケルの急逝によりそのステージは実現しませんでした。

おとはじ
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それでも、あの強い存在感から「きっと彼女は表舞台に出てくる」と確信したのを覚えています!

予感は的中し、その後の活躍は皆さんご存じのとおり。ギターだけでなくヴォーカルもこなす彼女ですが、私が特にお気に入りなのは、スティーヴ・ヴァイとの共演曲『Highly Strung』です。曲の魅力を引き立てるシンプルなMVと、スティーヴ・ヴァイとのギターの掛け合いがとてもカッコよくて、何度も見返しました。今見ると、まだ初々しさの残るオリアンティですが、その中にもすでに光るものがありました。

圧倒的パワーで魅了する、戦うギタークイーン:ニタ・ストラウス

そして、ニタ・ストラウスは2018年にギターインストアルバム『Controlled Chaos』で鮮烈なソロデビューを果たしました。MVでは長い金髪をなびかせながら、激しいアクションで存在感を爆発させていて、圧倒されるような迫力があります。

彼女はインストだけでなく、ヴォーカリストとコラボすることもあり、私のお気に入りは『Victorious』ft. Dorothy

おとはじ
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ドロシーは以前から好きなシンガーだったこともあり、ふたりのパワフルな掛け合いに鳥肌が立ちました!

衝撃と個性で突き抜ける、異彩のギターマジシャン:ジェニファー・バトゥン

さらに、ジェニファー・バトゥンといえば、やはりマイケル・ジャクソンのツアーメンバーとしての印象が強いです。奇抜なファッションでマイケルの隣に立ち、ギターを操るその姿は、まさに“カッコいい”のひと言に尽きます。

彼女もギターアルバムを発表しており、その中でも『Flight Of The Bumble Bee』は衝撃的でした。高速フレーズと変幻自在なテクニックに驚かされたのはもちろんですが、MVで蜂にまみれていくジェニファーの姿が、今でもおぼろげに記憶に残っています。

おとはじ
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曲名が“熊蜂の飛行”…だから蜂まみれになったのね!?

自分らしい音を見つける旅へ――女性ギタリストたちの魅力とエール

今回ご紹介した3人の女性ギタリストはもちろん、実は他にも魅力的なプレイヤーがたくさんいます。たとえば、リズム感抜群でブルージーなプレイが魅力のサマンサ・フィッシュや、魂のこもった演奏が印象的なジョアンナ・ショウ・テイラーなど。

どのギタリストにも共通しているのは、「自分らしい音を持っていること」。ただテクニックがあるだけではなく、その人ならではの個性や世界観が音に表れていて、聴いていて心が動かされるのです。

おとはじ
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これからギターを始めたいと思っている女性や、「私なんかが弾いていいのかな…」と感じている方にこそ、ぜひ彼女たちの演奏を聴いてみてほしいと思います!

もしかしたら、“自分らしい音”を見つけるきっかけになるかもしれません。

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